昨日のMAXフェスタは台風の影響で、レイン路面でのスタートとなりました。
まずは、公式練習でフレッシュレインとキャブレーション、シャーシーのセットの確認です。
すると、まずはキャブレーションが想定していた仕様では、まったく加速しません。どうやらとても薄いようです。
タイヤのエアー圧を含めたシャーシセットも、良くなくて、ダブルパンチでトップとは1秒以上のビハインドです。
プレファイナルを前に、ジェットは濃くして、シャーシーセットも大幅に変更します。
プレファイナルのスタートポジションは5番手です。
レースがスタートして、しばらくして2位に立ちます。変更したシャーシーセットは明らかに好転していて、ラップタイム向上に貢献してくれているのですが、ジェットの方は、変更したのが感じられないくらい薄いままです。
水温は上昇してしまうし、苦戦となりますが、トップとのラップタイム差はほとんどなく、同等のタイムで走れています。
3位以降も引き離していたので、路面の水が減ってきた事もあって、途中からペースを落として、トップを追うのを諦めて、タイヤ温存に切り替えます。
決勝を前に、ジェットをさらに濃い方向に振りますが、いったい何故、こんなにも濃くしないと走らないのかが解りません。
そして、決勝です。スタート直後に豪雨になって、スタート時間が10分間遅れます。
見る見るうちに、増えていく水溜りにエアー圧を再調整してグリッドに付きます。
運命の決勝がスタートして、オープニングラップでトップに立ちます。しかし、ジェットは相変わらずとても薄いですし、加えて、アルファノが2周目でダウンして、途中に何度か再始動しましたが、回復せずに、水温もエンジン回転も解らない状態になってしまいます。
エンジン回転はさておき、水温が解らないのは致命的です。
悩んでも仕方ないので、エンジンのピックアップと、高速の伸びの感覚で判断してラジエターのシャッターを調節します。レース序盤にやってきたこのトラブルで、なんとなくいつものように、悪い事が起きそうな予感を感じながらレースは進みます。
オープニングラップでトップに立ったので、長い長い決勝ヒートになりました。
単独で抜け出せれば気楽になれるのですが、公式練習で一人だけ飛びぬけて速かったドライバーが2位で追走して来ます。
このドライバーだけは、スピードで引き離せないと思っていたので、レース後半に向けて、とにかくタイヤを温存する走り方に徹します。
途中で、インに飛び込まれるシーンもありましたが、基本的に遠目の間合いで入ってきているので、ラインを再調整して、立ち上がりで前に出ます。
レースも終盤に来て、残り5周を切ったので、残していたマージンを少しだけ切り崩して、後続を寄せつけないように走ります。
雨の量は、後半に増えてきましたが、残り3周でファースティストラップも獲って、2位のドライバーにインに飛び込む隙を与える事無く、チェッカーを受けることが出来ました。この終盤の数周のために全てをコントロールして来ていたので、狙い通りのレースが出来たと思います。
決勝日が雨になったので、予選までのタイヤと違ったタイヤで決勝日を走ったのですが、本来なら、タイトラと予選3ヒート、そして、プレファイナル、ファイナルと1セットのタイヤで戦うMAXフェスタは、とにかくタイヤマネージメントが鍵となります。
タイトラで上位を獲得出来なかった場合は、予選の3ヒートでむきになって順位を上げようと頑張ると、タイヤが磨耗してしまう事になります。
僕は9位のタイトラから計算して、予選3ヒートを3位以内で通過すれば、プレファイナルの順位が3列目以内からスタート出来るので、それで十分と判断します。
そんな観点から、スタートの混雑を利用してポジションを上げる以外は、極力、バトルを避けるように走りました。
予選の最初のヒートは2位に立っていたドライバーが序盤から厳しいブロックで走り始めたので、ペースが遅く、おとなしく追従していると、僕が後方のドライバーに抜かれてしまうので、2位の選手に果敢に攻めてインを伺うそぶりだけを見せて、後続のドライバーに、抜かれないように走りました。
誤って抜いてしまった場合は、次はそのドライバーに危険なパッシングを受ける可能性があったので、ひたすら抜くふりだけをしていました。
その結果、コーナーの度に、インを伺う僕に対して、後方のドライバーは仕掛ける事が出来ずに、予定通りの3位を守る事が出来ました。抜く気がないので、ブレーキの間合いも詰めないため、タイヤも労われました。
こんな風に、MAXフェスタのようなビックレースはまさに駆け引きの勝負です。冷静さを欠いてしまって、熱くなってバトルをしてしまっては、決勝の残り5周の段階で100パーセントのパフォーマンスが出せません。
こうして、そんなにスピードで勝っていた訳ではありませんが、なんとかフェスタで勝つ事が出来ました。以前にシニアで勝って以来なので、本当に久しぶりの勝利です。
そもそも、MAXエンジンのカテゴリーで速く走れなくなってから、フェスタにも出なくなっていましたし、MAXエンジンのレースにもたまにしか出ていませんでした。
今年、その謎を謎のままにしたくなくて、開幕戦から出場する事になりました。
MAXシリーズ自体は、昨年末から今年のポイントになっていたので、今年からスタートした事と、途中に1レース欠場した事で、有効ポイント、ギリギリの4レースしか出場出来ませんでした。
そのために、出たレース全てが有効になってしまい、接触で落としたレースもあって、年間シリーズでは5位でしたが、終盤に2連勝出来て、謎のほとんどは解明されたと思っています。
ただ、区間タイムで見てみると、やはり他のドライバーさんのデータと比較してストレート区間が遅く、これは改善したい部分です。さらに、今回のように、雨になると、急激に薄い症状が出てしまうのも、解き明かしておきたい部分です。
もう一歩まで来たのは間違いないので、あと少しの部分を解き明かしたいと思います。
応援してくれたチームのみんなや、コースであって、悩む僕にアドバイスをくださった、他チームのみなさん、本当にありがとうございました。久しぶりに、MAXで良いレースが出来ました。
もう少し、頑張ってレースに出たいと思いますので、これからもよろしくお願いします。
そういえば、決勝日に出場出来なくて、僕のサポートに回ってくれたマスダ君とメカニックのキヨカズもありがとうね。次はマスダ君も、良いレースが来ると思います。一緒に頑張ろう!